カモミールは世界で最も古くかつ広く使用されています。
ヨーロッパでは、古くから民間治療薬として使用されており、その鎮静作用により不安の軽減やアレルギーに役立つことが知られています。
また不眠症、花粉症、PMS(月経前症候群)、肌の問題にも役立つことが示されています。
それではカモミールについて、見ていきましょう。
Contents
カモミールについて
甘酸っぱい青リンゴのような香りを持つ、カモミールは生命力溢れるキク科の多年草です。
そのリンゴのような芳香から「香りの芝生」とも呼ばれ、ギリシャ語では「地面のリンゴ」と呼ばれています。
また近くに生えている植物を元気にするため「植物のお医者さん」とも呼ばれています。
和名では「カミレツ」と呼ばれます。
カモミールは世界で最も古く、そして広く利用されていて、古代エジプトでは太陽神への捧げものにされていました。
象形文字には、少なくとも約2000年間、化粧品として利用されていたことが示されており、ギリシャでは熱病や婦人病の治療で使用されていました。
「医学の父」として知られているヒポクラテスは、解熱剤として使用していました。
カモミールの栽培は16世紀に始まり、販売されるようになりました。
ローマ人はカモミールを薬草、飲物の香りづけなどに利用し、その後ヨーロッパ中に広まりました。
カモミールには種類があり「カモミール・ジャーマン」と「カモミール・ローマン」の2種類あります。
カモミールと言うと一般的にはカモミール・ジャーマンを指すことが多く、主にハーブティーとして親しまれています。
一方のカモミール・ローマンの方は、アロマセラピーなどの精油として利用されます。
この記事の中のカモミールの効果効能は、カモミール・ローマンの方になります。
カモミールは「女性と子供の精油」と呼ばれているほど、精油の中でも作用が穏やかなため、安心して使用できます。
それではカモミールオイルの11個の効果効能を見ていきましょう。
カモミールオイルの効果効能11選!
①不安、うつ病を軽減する
カモミールオイルは鎮静作用があるため、神経を落ち着かせ心のバランスをとるため不安を軽減するのに役立ちます。
カモミール・ローマンはイタリア南部、ブラジル、モロッコを含む多くの地域で、不安やうつ病の緩和に使用されてきました。
Journal of Clinical Psychopharmacologyの研究によると、カモミールが一般的な不安障害に伴う症状を和らげることがわかりました。
また、2013年に行われた研究では、カモミール・ローマン、ラベンダー、ネロリを含む精油のブレンドが集中治療室の患者の不安を軽減することがわかりました。
カモミール・ローマンの青リンゴのような甘酸っぱい香りは、脳に直接作用するため、ディフューザーで部屋に拡散することが最良の方法です。
②花粉症やアレルギーを軽減する
カモミールは抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗菌作用があるため、花粉症を和らげるために使用されます。
花粉症による鼻炎や皮膚のかゆみなどの問題を和らげることができるだけではなく、食物アレルギーや皮膚の炎症の軽減にも役立ちます。
③不眠症に役立つ
カモミールオイルは、リラックス効果があるため不眠症に役立ちます。
2006年の調査では、カモミールオイルのアロマテラピーが、ストレスの軽減と眠気を引き起こすホルモンを増加させました。
またBiological and Pharmaceutical Bulletinに発表された2005年の研究によると、ラットにカモミールの抽出物を与えたところ、眠りに落ちる時間が早まりました。
良い睡眠をするために、ディフューザーで部屋に拡散させてください。
入浴の際に5〜10滴のカモミールオイルをいれてください。
カモミールオイル7〜10滴とキャリアオイル25mLを混ぜ、肌に塗ってください。
④子供を落ち着かせる働き
カモミールは泣いている子供を落ち着かせるために何世紀にも渡り使用されてきました。
また子供のADD、ADHD(注意欠陥多動性障害)や耳痛、胃の不快感、下痢、睡眠を良くする、発熱を抑えるなど子供にとって優れた効果を発揮します。
カモミールオイルは、子供を落ち着かせる最も穏やかな精油のひとつです。
⑤肌を良くする
カモミールオイルは抗炎症作用と抗菌作用があるため、湿疹、皮膚炎、にきびなどを和らげ肌の状態を良くするため使用されてきました。
皮膚の代謝を高めてくれるため、肌の老化を遅らせ、若々しく保つことができます。その理由から多くの化粧品の成分として配合されています。
⑥消化器系の問題を緩和する
カモミールオイルは、消化器系の問題を緩和するのに役立つことが示されています。
カモミールオイルには鎮痙作用があるため、消化不良、下痢、嘔吐、酸逆流、過敏性腸症候群など問題に役立ちます。
カモミールオイル2〜4滴とキャリアオイルを混ぜ、腹部に湿布してください。
吐き気を和らげ場合は、直接ボトルから嗅ぐか、ペパーミントオイル、ラベンダーオイルを組み合わせてディフューザーで部屋に拡散させてください。
⑦毒素を除去する
カモミールオイルは、発汗作用があるため体内から有害な化学物質や毒素を除去するのに役立ちます。
⑧心臓の健康
カモミールオイルは、ポリフェノールの一種であるフラボノイドが含まれているため、血管の緊張を和らげ、心血管疾患による死亡リスクを減らすことができます。
カモミールオイル2〜4滴とキャリアオイルを混ぜ、心臓付近に湿布してください。
⑨関節炎による痛みを和らげる
カモミールオイルの抗炎症作用は、皮膚の深いところまで浸透し、関節炎による痛みの緩和に役立ちます。
カモミールオイルとキャリアオイルを混ぜ、痛みのある場所に塗って下さい。
また、お風呂にカモミールオイルを入れて入浴してください。
⑩月経前症候群(PMS)の軽減
カモミールオイルは鎮痙作用があるため、月経前症候群(PMS)からくる頭痛や腰痛の痛みを和らげることができます。
また、カモミールの不安を軽減できる鎮静作用により、精神的な面も安定します。
⑪抗ガン作用
カモミールオイルは、抗酸化作用によりガンの予防の選択肢になり得ます。
皮膚、前立腺、乳房、卵巣のガン細胞の増殖を抑える働きが示されています。
カモミールオイルの副作用と注意点
妊娠中は使用を控えて下さい。
鎮静剤、向精神薬、睡眠薬を飲んでいる方は、鎮静作用を強くする可能性があるので避けて下さい。
肌につける場合は、必ずパッチテストを行ってください。
キク科の植物にアレルギーがある場合は、カモミールにもアレルギーがでる場合があります。
セラピーグレードの精油や、治療レベルで使用できる精油を選ぶようにしてください。
湿度の高いところでの保管は変質するためしないでください。
精油はペットにとっては良くない場合がありますので、ディフューザーを使う時はよく確認するようにしてください。
最後に
カモミールはその穏やか作用により「女性と子供の精油」と呼ばれていますので、安心して使用することができます。
神経を落ち着かせる鎮静作用もありますので、リラックスしたい時には最適な精油です。
甘酸っぱい青リンゴのような香りを持つカモミールを楽しんでみてください。
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