私たちが普段食べているものには、元来病気を予防する力が備わっています。
中国の薬食同源思想、日本で言う医食同源が食べ物が薬という事を雄弁に語っています。
漢方では生姜がなければ成り立たないほどです。実に約70%の漢方薬は生姜が使用されている状況です。
中国で大きな影響を与えた代表的思想である儒教。
創始から2000年以上経った現代でもその思想の影響は根底に生きています。
その儒教の祖、孔子は食事の際は必ず生姜を一緒に食べていたと言います。
生姜は体を温め免疫を高めてくれるだけではなく病気を防ぐ多くの薬効があります。
それでは「食べる薬」としての生姜について見ていきましょう。
Contents
生姜について
生姜の原産地は、はっきりわかっていませんが、長い間インドが原産地と考えられています。
生姜の学名は「Zingiber officinale」と言います。
サンスクリット語で「Zingiber」の意味は角状で、「officinale」は薬効のあるという意味です。
世界各地で薬として使われており、各時代において重要な役割を担っていました。
哲学者のピタゴラスは生姜を消化の促進として使用し、古代ローマ人は食中毒の薬として使用していました。
またインドでは紀元前300~500年前には保存食や医薬品として使われていました。
インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは生姜は、「神からの治療の贈り物」とされています。
現代では医師が処方する漢方薬の約70%に生姜が用いられているほど、漢方薬と生姜は密接に関わっています。
つまり、日常的に生姜を食べていたら病気とは距離を置けることに繋がるという事です。
私たちがどのような原因で病気になるのかを考えたことがありますか?
その原因のひとつが体温です。現代人の体温はどんどん下がっており、低体温が万病を引き起こす原因になっています。
低体温が病気の原因につながる
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体温の低下は免疫の低下につながります。
1℃体温が低下すると免疫力は30%以上低下すると言われています。
癌細胞は35,0℃で一番増殖することで知られています。
そして39,6℃で癌は死滅するとされています。
現代人の体温が低下していることを知っていますか?
昔の日本人の平均体温が36,8℃に対して、現代人の体温の多くが35℃台です。
ほとんどの方が、低体温の状態です。
年々増加している様々な病気と低体温が比例しているのは偶然なのでしょうか。
朝方(3時~5時)の体温や気温が低い時間帯に人の死亡が一番多いというのは偶然なのでしょうか。
中国人が日本に来て驚くことがあります。
それは一年中に飲み物に氷が入っていることです。
寒い冬に氷が入っていることに非常に驚きます。
中国は西洋的な治療も多いですが、まだまだ伝統的な中国漢方を素地としていますので身体を冷やすことは良くないことを知っています。
冷えは万病の元であり、最も避けなければいけません。
理想の体温である36,5℃を目指すことによって、あなたの身体に良い変化が起きます。
体温を上げるのに役立つことは、運動、お風呂、サウナ、筋トレなどがありますが最も簡単に上げることができるのが生姜を食べることです。
それでは生姜を食べることでの健康上の利点を見ていきましょう。
生姜の栄養素
生姜は多くのビタミンとミネラルが含まれており栄養素は下記の通りです。
・カリウム
・マンガン
・マグネシウム
・ビタミンC
・ビタミンB6
・ナイアシン
・リン
・亜鉛
・鉄
・銅
少量ですがカルシウム、亜鉛、パントテン酸、リボフラビン、チアミンも含まれています。
生姜の有効成分
生姜に含まれている代表的な成分が下記になります。
・ジンゲロール
・ショウガオール
・ジンゲロン
・ジンギベロール
・フラボノイド
・クロロゲン酸
これらの成分は抗酸化作用があり、いくつかは抗炎症、抗菌作用、殺菌作用、鎮静作用、抗腫瘍作用があります。
特にジンゲロン、ジンゲロールショウガオールなどの成分は、血管を広げ血流を良くし体を温めます。
生姜の効果効能12選
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①吐き気の軽減
生姜は吐き気を催す際に効果的です。
生姜は船酔いなどの吐き気の軽減に長い間使用されていて、薬と同等の作用があることがわかっています。
1,278人の妊婦を対象とした研究では、副作用の影響を減らし吐き気の症状を軽減するのに有効であることがわかりました。
ロチェスター大学医療センターの研究によると、手術後の吐き気や癌の化学療法の影響による吐き気の軽減につながることが示されました。
②抗がん作用
生姜は癌の代替医療として研究されてきました。
生姜にはギンゲロールという成分が含まれており、抗がん作用を有しています。
試験管内での研究では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌の癌細胞の成長を阻害するのに有効であることが示されました。
しかしヒトに対しての抗がん作用についてはまだまだ研究が必要とされています。
③糖尿病の改善
生姜は血糖値をコントロールするのに役立ちます。
2015年に2型糖尿病の41人の参加者で行われた研究では、1日あたり2gの生姜の粉末を服用したところ空腹時血糖値が12%低下しました。
長期の平均血糖値についても改善され、12週間で10%の減少しました。
④胃潰瘍
胃潰瘍は胃に炎症が生じ粘膜が深く傷ついてしまう状態であり、40~50歳代に多く発症します。
胃潰瘍になると消化不良、疲労、胸やけ、不快感などの症状が起きます。
胃潰瘍の原因のひとつとして挙げられるのが、ヘリコバクター・ピロリ菌です。
生姜はピロリ菌に対して抗菌作用があります。
いくつかの研究では、生姜は胃潰瘍の防ぐのに役立つことがわかっています。
またキャベツは抗潰瘍作用がありますので、生姜と一緒に食べることをおすすめします。
⑤脳機能の改善
生姜は抗酸化作用と抗炎症作用があるため脳の健康にとって欠かせません。
アルツハイマー病やパーキンソン病は、脳の酸化や炎症が原因になるため生姜はこれらの助けになります。
動物実験により生姜が、脳の老化や認知低下を防ぐことがわかりました。
また中年女性60人を対象とした実験では、生姜が認知機能と作業記憶を改善することを示されています。
⑥コレステロール値を下げる
LDL(悪玉)コレステロールの増加は心臓病のリスクと関連します。
生姜はLDL(悪玉)コレステロールを下げ、HDL(善玉)コレステロールを増やすことが示されています。
コレステロール値の高い85人に対して45日間、粉末生姜を与えた研究では、ほとんどの方のコレステロール値が下がっていました。
動物実験では生姜は、高コレステロール血症治療薬であるアトルバスタチンと同等の効果があることも示されています。
⑦月経痛の緩和
生姜は月経痛の緩和にも役立ちます。
Journal of Alternative and Complementary Medicineに掲載された研究によると、生姜はイブプロフェンやメフェナム酸のような薬と同様に月経痛を軽減するのに効果的でした。
⑧消化の改善
生姜は消化をサポートし、消化を促進します。
生姜の粉末を食事と共に摂取すると消化が倍に早まることがわかりました。
⑨筋肉痛を和らげる
生姜には抗炎症作用があるため運動によって生じた筋肉痛をを和らげることが示されています。
ジョージア大学で行われた研究によると、毎日生姜食べることは運動による筋肉痛を25%和らげることがわかりました。
⑩感染症と戦う
気管支炎、肺炎、尿路感染症などは病原菌が関係してきます。生姜は抗真菌性を有しているため病原菌に対して有効です。
生姜は歯肉炎や歯周炎などの口腔細菌に対して効果的です。
また、RSVウイルスによる呼吸器の感染症に対して有効である可能性があります。
寿司屋にガリがある理由が、食中毒やアニサキス対策というのは納得できますね。
⑪風邪、インフルエンザの対策
生姜は何千年にも渡り、風邪やインフルエンザの天然の薬として使用されてきました。
体を温め発汗を高めて風邪やインフルエンザと戦います。
⑫その他
生姜は様々な病気や症状を対策することができます。
・動脈硬化
・めまい
・耳鳴り
・アレルギー
・胆石
・痛風
・ダイエット
・骨粗しょう症
・便秘
・うつ病
・吹出物
・肩こり
・不眠症
グルタミン酸ナトリウム(MSG)からの保護作用
グルタミン酸ナトリウム(MSG)とは、うま味を感じるように人工的に精製した調味料の事です。
グルタミン酸ナトリウムは、化学調味料または、うまみ調味料と呼ばれています。
海外では、MSG(monosodium glutamate)と呼ばれています。
代表的な商品が味の素です。1900年代の日本で製品化されました。歴史の古い調味料です。
加工食品の原材料名には、「アミノ酸等」と表記されているものがグルタミン酸ナトリウムです。
このグルタミン酸ナトリウムは毒性があり多くの病気と関係しています。
アルツハイマー病、パーキンソン病、片頭痛、心臓発作、ルー・ゲーリック病、肥満、糖尿病、緑内障、脳卒中などの数多くの病気の原因に関係していきます。
米国脳神経外科医のラッセル・ブレイロック博士はグルタミン酸ナトリウムを興奮毒性としています。
興奮毒性は神経毒性化学物質です。興奮毒性は脳のニューロンを過度に興奮させます。
私たちの食べる食品の多くにMSGが添加されており、外食に至ってはMSGを添加していないお店を見つけるのが難しいほどです。
しかし生姜を食べることである程度対策ができるかもしれません。
30日間ラットに、MSGを注射したところ脳内物質であるドーパミンやセロトニンが減少し副作用が起きました。
その後30日以上にわたり、生姜の抽出物を注射したところ神経伝達物質が増加し脳損傷も正常に戻りました。
これにより生姜にはMSGの毒性に対して神経保護作用が働いたと結論づけています。
参考:Neuroprotective evaluation of extract of ginger (Zingiber officinale) root in monosodium glutamate-inducedtoxicity in different brain areas male albino rats.
生姜の摂取量
一日の摂取量の目安は約10グラムです。
生姜の粉末なら摂取量の目安は1グラムです。
生姜の粉末1gが生姜10gに相当します。
生姜の副作用
生姜は一般的に安全であり、副作用を起こす可能性は低いです。
副作用の症状として挙げれるのが、下痢、胸やけ、胃の不快感などがあります。
まれに生姜アレルギーの方もいます。
蕁麻疹や呼吸困難などのアレルギー反応が出た場合はすぐに医師に診てもらってください。
妊娠している場合は注意が必要です。
一部の専門家は流産のリスクを高める可能性を懸念しているため上記の摂取量を守った方が良さそうです。
妊娠している方、胆石、糖尿病の方は医師に相談してください。
また血液凝固剤を使用している方も同様に相談してください。
一日の摂取量が40グラム超えないようにするのが望ましいです。
最後に
体温が低いと多くの病気を招く原因になります。
生姜を食べることは体温を上げ免疫を高めてくれる最良の方法です。
しかし、スーパーなどに売られている生姜のチューブでは全く意味がありませんので注意してください。
必ず新鮮な生姜か生姜の粉末を使うようにしましょう。
私は生姜の粉末が非常に使い勝手が良く重宝しています。
しょうが紅茶を作るときも粉末を入れるだけです。
生姜が「神からの治療の贈り物」と言われるのも納得です。
![](https://www16.a8.net/0.gif?a8mat=3BBJ9Q+AABOLE+2YFY+61C2P)
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