世界中の研究者を驚かせる奇跡的なスパイスがあります。
それが黄金のスパイスと呼ばれているウコンです。英語ではターメリックと呼びます。
ウコンの最大の生産国はインドです。
世界で生産されるウコンのうち80%がインドで生産されています。
残りの20%は中国、パキスタン、ジャマイカ、ハイチ、台湾、タイなどで生産されています。
ウコンはアーユルヴェーダ、漢方など古くから利用されてきました。
ウコンの有効成分であるクルクミンに世界中の研究者が熱い視線を送っています。
その謎を紐解いていきましょう。
Contents
ウコンを追い求める人々
スパイス(香辛料)は、古代から貴重で高価でした。
15世紀半ばから17世紀半ばまで続いた大航海時代。
航海者、探検家であるコロンブスやヴァスコ・ダ・ガマは新大陸の発見以外にヨーロッパのスパイス需要の高まりからスパイスの発見にも力を入れていました。
1096年から200年にわたって聖地エルサレム奪還を目的とした十字軍は同時にスパイスの獲得という目的があったとされています。
ウコンは多くの素晴らしい健康上の利点があり、現在では約7,000件以上の研究が実施されています。
ウコンは幅広い強力な治癒効果があることが多くの研究で示されています。
また、ウコンの効果は医薬品と同等であるだけではなく、ウコンの方が特定の処方薬よりも優れていることが研究により報告されています。
伝統医学のアーユルヴェーダ、漢方、インド料理などに使われているウコンの主成分がクルクミンです。
クルクミンは強力な抗酸化物質、抗炎症薬であり、研究者はその効果効能に驚きを隠せないほど興奮しているようです。
ウコンの栄養素
・ビタミンB1(チアミン)
・ビタミンB2(リボフラビン)
・ビタミンC
・ビタミンE
・ビタミンK
・カルシウム
・ナイアシン
・ナトリウム
・カリウム
・亜鉛
・鉄
・マグネシウム
・オメガ3脂肪酸
ウコンの効果効能
ウコンの効果は医薬品と同等であり、下記のような数多くの健康上の利点があります。
・抗突然変異
・抗真菌
・抗炎症
・抗癌
・抗ウイルス性
・抗凝固
・抗うつ薬
・鎮痛剤
・関節炎薬
・コレステロール薬
・ステロイド
・美容
クルクミンの10個の効果効能

①うつ病
ウコンの有効成分であるクルクミンは動物実験においてうつ病の改善に特に有効であることが示されています。
クルクミンが神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンを増やす研究結果があります。
またプラセボ対照試験では、ウコンのサプリメントがよりバランスの良い気分をサポートするのに役立つことが判明しました。
一般的にうつ病の治療には、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)を服用していきますが、重大な副作用がでてしまいます。
しかし、クルクミンは安全で副作用がありません。
実際には動物実験が多くされており人間についての実験は少ない状況ですので、これからの研究に期待したいところです。
うつ病の改善や気分が落ち込んだりした場合は、カレーやウコンのサプリメントを摂取することで症状が緩和するかもしれません。
②抗炎症
クルクミンの代表的な能力として挙げられるのが抗炎症作用です。
Jounal Oncogeneでの研究ではクルクミンがアスピリンやイブプロフェンなどの薬よりも効果的であると発表しました。
更にクルクミンが世界で最も有効な抗炎症作用があることも付け加えて発表しました。
③肝臓
ウコンの主成分であるクルクミンは、100年以上にわたり肝疾患の治療に使われてきましたが、最近まで正当な科学的研究が行われていませんでした。
研究者は、肝臓の健康に有益である理由が、クルクミンの抗炎症、抗酸化作用であると考えています。
研究によれば、クルクミンはアルコール、鉄の過剰摂取、肝疾患、肝硬変などの肝障害を軽減することが示されています。
④アルツハイマー
インド人にはアルツハイマーが少ないことで有名です。
なんとアルツハイマーを発症する確率はアメリカ人の4分の1だと言われています。
研究者らは、クルクミンがアミロイドβの形成を最大40%抑制することができることを発見しました。
クルクミンの抗炎症性が、炎症や酸化によって引き起こされる損傷を減少させるので、アルツハイマーの治療において有効であることがわかりました。
ウコンの有効成分であるクルクミンがアルツハイマー病の有望な治療法として期待されています。
⑤抗がん作用
クルクミンは多くの研究で抗癌効果を持っていることがわかっています。
そして、乳がん、胃がん、肝臓がん、皮膚がんに対して最も効果的です。
いくつかの研究によると、ウコンは特定の種類の癌との戦いを助ける能力を持っています。
例えば、Molecules誌に掲載された2015年の論評では、ウコンの主要成分であるクルクミンが、さまざまな種類の腫瘍の進行や転移を阻害する可能性があると述べています。
2013年の国際臨床試験では、腸癌細胞に対してクルクミンと化学療法の併用が検討されました。
その結果、併用療法は化学療法単独よりも優れていると研究者が結論づけました。
クルクミンが癌の予防や治療できるという研究の証拠はまだまだありませんが、早期試験では有望な結果が示されているため、今後が期待されます。
⑥関節炎
クルクミンは強力な抗炎症作用を持っているので、関節炎に対して役立つと考えられています。
ある研究では抗炎症薬よりも効果的であり、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチの手助けとなる可能性があります。
⑦肥満
Biofactors誌に掲載された研究では、クルクミンが体重を減らすことがわかりました。
⑧糖尿病
クルクミンは糖尿病の予防に役立ちます。
ラットを用いた複数の研究では、クルクミンが血糖値とコレステロール値を下げました。また、インスリン機能の改善に役立ちます。
⑨心臓病
ある研究では、冠動脈バイパス術を受けた121人の患者に対して手術の数日前と数日後に1日あたり4gのクルクミンを与えたグループとそうでないグループに分けました。
その結果クルクミンを与えたグループは心臓発作を起こすリスクが65%減少しました。
⑩美容
ウコンはその抗酸化作用により肌に対しても有効であることが証明されています。
顔のシミ、ニキビ、しわ、くすみを改善させる効果があります。
ウコンを最大限に活用するために

ウコンを使用する時は、黒コショウを加えるのを忘れないでください
黒コショウには、ピペリンという辛味成分が含まれています。このピペリンは血液中のクルクミンを長く保ちます。
強力な抗酸化物質であるクルクミンは体内には簡単に吸収されません。
黒コショウの小さじ1/20は、クルクミンの吸収を2,000%以上高めることができることが示されています。
ウコンの副作用
ウコンやクルクミンは一般的に安全とされていて重大な副作用はありません。
しかしウコンを大量に摂取することで副作用がでる可能性があります。
一般的な副作用として吐き気、下痢、胸やけ、出血、低血圧などが起こる場合があります。
アスピリンやワルファリンなどの抗凝固剤を妨げることがあります。
ウコンには約2%のシュウ酸塩が含まれているため、大量摂取すると腎臓結石につながる場合があります。
ウコンの摂取量
1日の目安とされているウコンの摂取量は、1.5g~3gとされています。(粉末乾燥したもの)
しかしウコンの摂取量に関しての公式なガイドラインはありません。
ウコンを選ぶ時の注意点
市販のウコンの粉末には、大麦、小麦、ライ麦などの関係ないものが混ぜられている可能性があります。
また、キレイな色をだすために着色料を使用しているものもあります。
インドでは土壌汚染が進行しており、鉛が多い環境で栽培されています。
鉛は、脳損傷、骨の障害、心臓損傷につながる危険な重金属です。
そのような状況で輸入されますので、必ず有機栽培されたものを選ぶようにして下さい。
子供、妊娠、授乳中の方は医師に相談してください。
最後に
市場では、多くの重金属などの不純物が含まれているウコンが流通しています。
ウコンに効果があるからと言ってこれらの汚染されているものを買っていたら逆効果になりますので必ずオーガニックを選ぶようにしましょう。
ウコンはこの数年で多くの研究が行われてきました。多くが動物実験ですが期待のできる効果がでているようです。
ヒトに対しての研究は、まだまだこれからなのが現状ですので温かく見守っていきましょう。
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