世界で最も古い人工甘味料が、サッカリンです。
砂糖の200倍から700倍の甘さがあり、苦い後味や舌を刺すような特徴があります。
1879年にジョンズ・ホプキンス大学の研究者が、コールタールの研究中に偶然発見され、1884年に研究者のひとりであるファールバーグ氏が、サッカリンと名付けました。
第一次世界大戦以降、砂糖不足を補うように、世界の市場で急速に拡大していきました。
さらに1960年から1970年にかけ流行したアメリカのダイエットブームの波に乗り、多くの食品に添加されるようになりました。
ピンク色のパッケージに包まれた、Sweet’N Low(スイートンロー)というブランドが多くのレストランで置かれていました。
発がん性を巡り二転三転
日本で販売されている食品で、サッカリンが添加されているものは非常に少なく、一部の漬物、加工食品、歯磨き粉くらいです。
しかしアメリカや中国ではまだまだ、現役で多くの食品に添加されています。
サッカリンの発がん性が指摘されるようになったのは、かなり古く1960年代です。
サッカリンがラットの膀胱がんを引き起こすことがわかり、1977年に米国食品医療品局(FDA)がほぼ全面に禁止にしました。
しかし、1991年に発がん性の可能性を明記する条件で、米国食品医療品局(FDA)はサッカリンの禁止を緩和しました。
その背景には、ダイエットを主商品としている企業や製造業の反発や、医療関係者や糖尿病患者の抗議がありました。
最終的には、アメリカ国家毒性プログラムにより、サッカリンはほぼ安全であると発表されました。
日本では、サッカリンは1901年と1973年に禁止にされ、同年の1973年に復活するなど、日本においても二転三転しています。
カナダでは1997年までに全面禁止にしています。一方でイギリスは一度も禁止にされていません。
つまり各国によって、サッカリンに対するスタンスが異なっていることがわかります。
それでは指摘されている危険性を3つあげていきます。
サッカリンの危険性3選!
癌のリスク
アメリカの公益科学センター(CSPI)の1997年に発表された報告によると、サッカリンは発癌作用の可能性があると指摘しています。
人では発癌性に対しての関連性は示されていませんが、ラットに対しては発癌作用がある可能性があると見ています。
実際にサッカリンを摂取したオスのラットに膀胱腫瘍ができたという研究が発表されています。
アレルギー反応
サッカリンの化合物であるスルホンアミドにより、一部の人にアレルギー反応がでる可能性があります。
主なアレルギー反応の症状には、頭痛、下痢、皮膚湿疹、蕁麻疹などがあります。
体重の増加
サッカリンはカロリーゼロですが、米紙ロサンゼルス・タイムズはサッカリンなどの人工甘味料は肥満のリスクを高めるかもしれないと、サッカリンに対して懐疑的な見方を示しています。
また人工甘味料の摂取は、実際には過食につながるケースがあり、メタボになる可能性が2倍高いという報告があります。
結局サッカリンは安全なのか?
サッカリンの歴史は100年以上経ちますが、国により評価が異なり時代によっても変わってきました。
サッカリンの1日の許容摂取量は1kgあたり5mgと言われています。
市場に登場して100年以上経過していますが、人への影響は完全にわかっていないのが本当のところだと考えています。
本来、安全性を担保するには3世代(約100年)の影響を見なければいけません。
また他の添加物との組み合わせで、どのような影響がでるかもわかっていません。
つまりサッカリンの影響がでるのは、これからだと言うことです。
日本ではサッカリンはそれほど使用されていませんが、危険性や副作用が確認されている人工甘味料は多くあります。
歴史の浅い人工甘味料のアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどの影響はサッカリンを超える可能性があります。
短期的には安全かもしれませんが、長期的に見た影響、そしてその他の添加物の組み合わせの影響は、私たちの想像を超えるかもしれません。
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