小池都知事が豊洲移転問題の際に多用した言葉である「アウフヘーベン」
聞きなれなかった言葉が、多くの人々に知られるようになり流行語大賞候補になったことは記憶に残っているかもしれません。
ヘーゲルの弁証法を知ることは、仕事に役立ち、未来を予見する力を養うことができます。
それではヘーゲルの弁証法とは何か、アウフヘーベンや螺旋的発展とは何かを見ていきましょう。
ヘーゲルの弁証法とは
弁証法とは哲学用語のことで、ドイツの哲学者のヘーゲルによる思想です。
そしてヘーゲルの弁証法とは、「正(テーゼ)」と「反(アンチテーゼ)」があり、この2つを通じてさらに高次元な「合(ジンテーゼ)」に行きつくことを言います。
例えば会社の会議の時に弁証法を使用すると下記のようになります。
・意見Aを提示する 「正(テーゼ)」
・意見Bを提示する 「反(アンチテーゼ)」
・意見Aと意見Bを統合し、より高次な意見Cが生まれる 「合(ジンテーゼ)」
つまり弁証法とは、この2つのAとBの意見を、より高いレベルの意見にすることです。
そして「合(ジンテーゼ)」のことをヘーゲルは、「アウフヘーベン」という言葉で表しています。
「アウフヘーベン」は、ドイツ語で「止揚」という意味です。
漢字が示す通り「止めて、揚げる」となり、対立する2つの関係性を1つ上の次元に引き揚げるという解釈になります。
一般的に会議では、ほぼ一方的な意見が通ってしまい、反対意見は潰されてしまいます。
しかし、弁証法で会議をすれば、対立する2つの意見を議論することで、より高次の意見がうまれるため質の高い会議にすることができます。
日本の非効率で生産性をうまない仕事を、より良いものにするためには、ヘーゲルの弁証法を使用することで大きく変わっていくと考えています。
それでは、次に弁証法の螺旋的発展を知ることで、社会の進歩や発展がわかるようになります。
弁証法の螺旋的発展を知ればブームがわかる
螺旋階段を想像してください。
螺旋階段は上から見ると、同じ位置をただ回っているように見えますが、横から見ると一段、一段と上に登っています。
つまり、必ず上に登っているため、人で言えば成長、物や社会で言えば進歩、発展していると言えます。
例えば市場では、昔ブームになったものが、付加価値をつけて現代に蘇り再度ブームになります。
タピオカを例にすると、2019年は「第3次タピオカブーム」であり、日本では過去2回タピオカブームが到来しています。
第1次タピオカブームでは、ココナッツミルクの中に白いタピオカを入れ、食べていました。
第3次タピオカブームでは紅茶以外に緑茶、烏龍茶、ほうじ茶などバリエーションが増え、容器もインスタ映えを意識した洗練されたデザインになっています。
つまり、タピオカは螺旋階段を登るように進歩し、ブームが再来したと言えます。
タピオカを例えましたが、ナタデココ、ティラミス、チョコミントなども同じことです。
さらにレコード、ナイキのエアーマックス95やアシックスの前身であるオニツカタイガーなども挙げられます。
ネットオークション、メルカリなどもそうです。
このように昔ブームになっていたものが、付加価値をつけ復活していくのです。
あなたも、次に来るブームが、ある程度予見できるようになるかもしれません。
また人口知能の発展により、多くの職業が失われると言われていますが、昔ながらの職業が復活するかもしれないという予想もできるかもしれません。
最後に
ヘーゲルの弁証法を知ることで、会議の生産性を高めることができると同時に、あなたの思考の幅も広がります。
また小池都知事がヘーゲルの弁証法を使用しているということを知れば、豊洲移転問題がどこに着地するかまである程度予見することができたのです。
さらにこの世界の政治、経済などはヘーゲルの弁証法を使用して形成されていることに気づくかもしれません。
つまり、ヘーゲルの弁証法を知れば、未来を予見できるということです。
混沌とした激動の時代を乗り越えるためには、弁証法は必要になっていきます。
田坂広志氏が書いている「使える弁証法」は読むようにしてください。
あなたにとって多くのヒントを与えてくれるはずです。
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