日本はいつ、誰が創ったかと言われて答えられる方はどれくらいいるでしょうか?
その答えが書かれているのは、1300年以上前の「古事記」になります。
古事記は神様が、何もない状況から日本を創っていくストーリーです。
そのストーリーの主人公には、「イザナギ・イザナミ」、「アマテラス」、「スサノオノミコト」などが登場します。
古事記と聞くと、どこか堅苦しいイメージがあり、興味がなければ読むことは少ないと思います。
今回ご紹介する「かみさまのおはなし」は、昭和15年(1940年)に刊行された復刻本になります。
80年振りに復刊されたこの本は、古事記をわかりやすく子供でも理解できるようにしたものです。
実はこの本は、皇后・美智子様が、今の天皇陛下が幼い頃に読み聞かせをしていた本になります。
それでは「かみさまのおはなし」の内容をチェックしてみましょう。
かみさまのおはなし
日本の島を創ったと言われているのが、イザナギノミコトとイザナミノミコトです。
二人は雲の上にある「天の浮橋」から、長い「ほこ」をするすると下に下ろしていくと、やがてほこの先から流れ落ちた水が固まり、それが島になりました。
そしてこの島こそが「淡路島」であり、日本で最初にできた島なります。
また淡路島には日本発祥、国生みの聖地の「おのころ島神社」があります。
おのころ島神社には、日本三大鳥居の一つといわれる大鳥居が待ち構えています。
そして次に生まれたのが、「伊予之島」(四国)、壱岐島、隠岐島、対馬、筑紫島(九州)、佐渡島、豊秋津島(本州)になります。
つまり島とは神であり、神とは島であるという解釈もできます。
日本という国は、イザナギノミコトとイザナミノミコトによって作られ、その後二人は数奇な運命に翻弄されることになります。
この本は、他にも「因幡の白うさぎ」や「浦島太郎」のもとになる話しがでてきます。
ひらがなが多用され子供が読んでも理解しやすく、絵本のようにわくわくするような絵が多く取り入れてあるので、とても読みやすいつくりになっています。
さらに日本の成り立ちや歴史を理解することは、アイデンティティを深めるきっかけをつくります。
皇室には読書をベースとした教育をしています。
子供の時に古事記などの日本の成り立ちについて、知っておくことはとても大切です。
日本人なら知っておくべき知識であり、ぜひ読んでほしい本のひとつです。
ぜひチェックしてみてください。
【かみさまのおはなし】
藤田 ミツ (原著), 渡邉 みどり (著), 高木 香織 (著)
第1章 高天原のまき
・国生みのお話
・神生みのお話
・天岩屋のお話
第2章 出雲のまき
・やまたのおろちたいじのお話
・国引きのお話
・因幡の白うさぎのお話
・おおくにぬしのみことのお話
・小さい神さまのお話
第3章 高千穂のまき
・国づくりのお話
・国ゆずりのお話
・ににぎのみことのお話
・山さちひこと海さちひこのお話
第4章 大和のまき
・四人のみことのお話
・大和えんせいのお話
・大和とういつのお話
古事記と映画「君の名は。」との関係性
画像参照:君の名は。
「伊勢神宮・式年遷宮」と「出雲大社・平成の大遷宮」が重なった2013年頃から、多くの若い女性が神社仏閣に参拝するようになりました。
そして「御朱印ガール」などと言うネーミングが生まれ、神社仏閣に訪れる客層が明らかに変化しました。
その数年後。
2016年に公開された新海誠監督による映画「君の名は。」は、興行収入250憶円を記録し大ヒットしました。
「君の名は。」がヒットした理由は、隠された神話の物語が根底にあるからです。
実は、主人公の立花瀧と宮水三葉は、イザナギノミコトとイザナミノミコトという設定で作られています。
イザナギとイザナミがはじめに出会う時に、ある失敗をしてしまいます。
それはイザナミ(女性)から声をかけてしまったことです。
すると、生まれた子供はヒルのように骨のない水蛭子(ヒルコ)でした。
二度目は、イザナギ(男性)から声をかけたことで、無事に子供(世界)が生まれました。
映画では、最初に会いたいと思い東京に向かうのが三葉(女性)です。
この結果、会うことができませんでした。しかし立花瀧が会いたいと思って飛騨に向かうと会うことができました。
このように古事記の物語を踏襲しているのです。
また、余談ですが、三葉(ミツハ)の名前は、日本神話に出てくる「ミツハノメノカミ」からつけられています。
「ミツハノメノカミ」の別名は、瀬織津姫(セヲリツヒメ)です。
実は瀬織津姫は意図的に歴史から抹消されています。
「君の名は。」は、天照大御神と瀬織津姫との出会いを隠れたテーマにしているのです。
古事記や日本書紀などの知識入れることで、「君の名は。」の見方がガラリと変わることは言うまでもありません。
そして、「君の名。」をきっかけとして、神社仏閣や日本の歴史に興味を持つ方が、多くなっていることはとても良い兆候です。
最後に
新元号である令和の時代が始まり、同時に私たちは予測不可能な時代を生きようとしています。
時代という激流を乗り越えるためには、自分の霊性がカギになります。
人のDNAには神話の物語がインプットされています。
古事記のような神話を知ることは、目の前に困難な出来事が現れても、物語を創り乗り越えようとする力が働きます。
アインシュタインはかつて下記のような言葉を残したと言われています。
世界の未来は進むだけ進み、その間に幾度か争いは繰り返されて、最後の戦いに疲れる時が来る。
そのとき人類は真の平和を求めて、世界の盟主をあげねばならない。
この世界の盟主なるものは、武力や金力でなく、あらゆる国の歴史を抜き越えた、もっとも古く、もっとも尊い家柄でなくてはならぬ。
世界の文化はアジアに始まってアジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。
われわれは神に感謝する。
われわれに日本という尊い国をつくっておいてくれたことを
日本の原点である古事記を読むことで、あなたの新しい物語や世界を創るために役立ててください。
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